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手料理
  • 2025/06/17
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【本日の俺飯】

みんなの投稿 (1)
三連休とスクリーン、怠惰な幸福と、弁当のはじまり

この週末は
少し特別だった。理由はさておき、わたくし、ありがたくも三連休をいただけることとなった。金曜の夜の時点では、なにをしようか、どこへ行こうかと、気持ちがフワフワ浮ついていたが、いざ休みに突入してみると、あれこれと計画を立てるのも億劫になり、結果として「行き当たりばったり」な三日間を過ごすこととなった

まず土曜日
せっかくの休日だから、何かしら「外の空気」を吸いたい。そう思って、街に出て映画を観た。
「ゴッドファーザー」
言わずと知れた名作中の名作。今まで幾度となく観てきたこの映画。DVDでも、テレビ放送でも、配信サービスでも。たぶん、セリフをある程度言えるくらいには繰り返し観ている

しかしながら
映画館のスクリーンで観るのはこれが初めてだった。しかもリバイバル上映というのだから、これはもう行くしかないだろうと、迷うことなくチケットを取った。実際、スクリーンで観ると同じ作品でも全く違うものに感じられるから不思議だ。画面の隅々、役者の微細な表情、音楽の迫力、そしてあの重苦しい沈黙にさえ、映画館の空気が重なってくる。自宅のソファに座ってリモコン片手に観るのとは、まるで違う世界がそこにはあった

感情後
しばらくロビーでボーッとしていた。映画の余韻というものは、実に心地よい。自分がどこかのコーサノストラの末席にでも座っていたような気さえしてくる。濃密な物語に全身を包まれたあとの放心状態。それはまるで、知的な温泉に浸かったようなもので、頭も心もほんのり火照っているのだ

映画という文化的摂取を済ませたあとは
いっきに堕落へと舵を切ることになる。日曜日と月曜日は、これといって予定もなく、いや、予定を入れる気力もなく、ただただ「何もしない」ことに集中した二日間だった

布団の上でゴロゴロしながら
SNSを眺め、たまにスマホゲームを立ち上げ、コーヒーを淹れてはボーッとする。ちょっと本を読んで、また寝て、録画していたバラエティ番組を消化し、気がついたら外は真っ暗。まさに「だらだら」の極致。けれど、これが意外と悪くない。というより、こういう「無」の時間にこそ、現代人の救いがあるのではないかとさえ思う

何かを成し遂げなくてもいい
SNSに載せるような立派な休日じゃなくてもいい。ただ静かに、怠惰に、誰にも咎められず時間を浪費する。それを「贅沢」と呼ばずして、何と呼ぶのだろう

そして、連休明けの火曜日
これがまあ、キツいキツい。人は三日も休むと、社会復帰が難しくなる。これは年齢の問題ではない。若かろうが中年だろうが、性根に「ぐうたら気質」を持っている者には、共通の悩みである。三日間、社会という名の戦場から離れ、自由気ままに過ごしていた体と心は、急には「平常運転」に戻れない。どうしても、脳のエンジンが鈍い

かといって
これを毎回反省して改善しようという気も、もはやない。わかっているのだ。これは性分なのだ。訓練して矯正できるような代物ではない。三日休めば鈍るし、月曜に戻るのがしんどいのも当然の話。そういう自分とうまく付き合いながら、どうにか日常に戻っていくしかないのだ

そんなわけで
まずは朝のルーティンの中で最も実用的なもの、つまり「弁当作り」から始動することにした。なにごとも、まずは手を動かす。そうすると、少しずつギアが入ってくる。頭で考えていても仕方ない。行動が先、思考は後、がモットーである。そして本日の弁当メニューは以下の通り


①海鮮炒め
②梅しそトンカツ
③棒餃子


①の海鮮炒めは昨晩の晩ごはんで作った中華丼の具の残りをリメイク。イカ、エビ、アサリのシーフードミックスに加え、白菜、ニンジン、豚肉も一緒に炒め、トロミをつけた贅沢なおかず。弁当箱に直接詰めるとご飯がベチャベチャになるので、おかず容器に別盛りとすることで汁気対策は万全

②の梅しそトンカツは、業スー冷凍食品。冷凍庫で眠っていたものを解凍し、フライパンでこんがり焼き上げた。梅としその風味が爽やかで、タルタルソースとも好相性。さっぱりとしつつ、ボリュームもあり、主役級の存在感を放つ一品だ

③の棒餃子は今回はあえて焼かずにレンジでチン。皮がやや柔らかめにはなるが、朝のバタバタした時間にはありがたい時短処理。ありがたい脇役ポジションとして活躍してくれる

彩りとして
野菜を少々ブロッコリーを散りばめ、作り置きのひじき煮と切り干し大根は冷凍のまま添えてみた。保冷剤代わりになるし。これで栄養バランスにも配慮したことになるだろうか。こうして、なんだかんだ言いながらも、今日も無事にお弁当が完成したのであった

さて、今日は火曜日
つまり、週のスタートとしては少し得をした感覚がある。月曜をスキップできたぶん、今週はたった4日。これは「働く者に与えられた小さな祝福」ではないかと思う。そしてその事実が、なにより嬉しい。あと4日だけなら、なんとか乗り切れる。少なくとも、気持ちの上では

そう自分に言い聞かせながら
今日もまた、お弁当を持って社会というフィールドへと出発するのである。少しずつでいい。エンジンを温めながら、今日という一日を、淡々とやり過ごしていこうじゃないか
もぐもぐ! (12)