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手料理
  • 2025/06/03
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【本日の俺飯】

みんなの投稿 (1)
【本日の俺飯】火曜日の優雅なるゆでゆでシリーズ弁当だZE!

火曜日!
この曜日ほど、心に鉛のような重さを落としてくる存在があるだろうか。週明けの月曜日は、それなりに心の準備があるから対応できる。リスタートの号砲とともに、エンジンをかけ直すことに集中すればよい。しかし火曜日は違う。月曜に消費した精神力が、まだ全然回復していないのに、さらに同じ距離を歩かねばならぬという現実に直面させられる、そういう日だ。


火曜日!
それは、週末への道のりがいまだ果てしなく遠く、かといってまだ「折り返し」という希望も見えぬ、まさに“中間管理職”的なポジションにある忌むべき曜日。月曜を耐えたご褒美もなく、水曜の「週の真ん中」感もない。火曜日、それはまるで、古代ローマの剣闘士がコロッセオの真ん中で「はい、次のお相手はライオンとゾウです」と言われるような、そんな絶望的なシチュエーションなのである。


Ah, Tuesday!
Tuesday!화요일!Dienstag!Mardi!Martedì!火曜日!
お前というやつは、なぜにこうも俺を追い詰めるのだ。早く来い来い、土曜日!そして日曜日!オレの魂が自由になるその日まで、まだいくつ働けば、いやよそ様に言えるほど働いていないから、あと何日眠ればよいのだーーーッ!


……そんな、
朝から魂が震えている火曜日ではあるが、せめてもの抵抗として、弁当だけは優雅に、心の豊かさを追い求めて作ってみようではないか。そう、火曜日は「優雅なるゆでゆでシリーズ弁当」で、自分を少しでも癒す日といえるので本日のメニューは以下の通り


【ご飯側メニュー】
① ゆで鮭
② ソースゆでソバ

【おかず側メニュー】
③ 油揚げのひき肉はさみ焼き
④ 揚げ出汁なす
⑤ 厚焼き玉子



① ゆで鮭
これはもう、いつものやつ。甘塩の鮭を、ただお湯に放り込んで茹でただけ。焼かない、炒めない、ただ茹でる。それだけで、意外にも旨味がふわっと広がるのがこのメニューのすごいところ。焼き魚とはまた違った、やさしく染み込む塩気と柔らかい食感。まさに“穏やかな朝の味”という趣。主張しすぎず、しかし存在感はある。そんな鮭。


② ソースゆでソバ
世に「焼きそば」という言葉はあれど、「ゆでソバ」と聞いてピンとくる者は少ないだろう。これは炒めることを放棄した潔さの料理。中華麺を茹で、こなソースを和えるだけ。オイルレス!炎レス!ノースモーク!結果的に、かなりヘルシーな仕上がりになっている。しかもソースがじわりと絡み、意外にもクセになる味わい。「焼いてないのに焼きそばの気配を感じる」という不思議な感覚がまた面白い。ご飯と一緒に詰め込めば、見事な炭水化物×炭水化物コンボ。そう、今日はもう潔く「糖質祭り」だ!


③ 油揚げのひき肉はさみ焼き
これは、冷凍庫の奥底で2週間ほど眠っていた奇跡の一品。チーズと豚ひき肉を油揚げに挟み、オーブンでじっくり焼いただけだが、これがなかなかイケる。油揚げの香ばしさ、チーズのコク、豚肉の旨味が見事に融合して、小さなひとくちにして豊かな満足感をもたらしてくれる。時間が経っても味がしっかり染みているから、弁当にもぴったり。


④ 揚げ出汁なす
こちらは業務スーパーの冷凍食品を、ただ解凍し出汁醤油をかけまわしただけなのだが侮るなかれ、揚げた茄子に出汁がしみしみで、実に良き。冷えても味がボケないところが、冷凍食品界のプロフェッショナリズムを感じさせる。口に入れた瞬間、じゅわっと広がる出汁の香りに、一瞬だけ火曜日の憂鬱を忘れることができる、…かもしれない。そんな可愛らしくも小さな希望の光


⑤ 厚焼き玉子
これもまた業務スーパー産。きれいに巻かれた厚焼き玉子をスライスし、容器の隙間にぎゅぎゅっと押し込んだだけ。甘さ控えめで食べやすく、他のおかずとの調和もとれていて、地味ながら名脇役である。



ここまで書いておいてなんだが
「優雅なる弁当」などと謳ってはみたものの、冷凍庫をがさごそ漁って、出てきた食材を片っ端から詰め込んだだけの、ある種「サバイバルめし」でもある。それでもなお、この“考える”時間、“茹でる”時間、“詰める”時間が、わたしの中で「優雅なる」何かを生んでいるのだ。


火曜日の朝!
時間に追われながらも台所に立ち、湯気の向こうに一瞬見えた「心の余裕」。それが、俺にとっての“優雅”なのだ。結果がどうであれ、自分で選んだ素材を自分の手で弁当に詰めるという行為そのものが、きっと人生の中で最も小さく、最も確かな自己肯定なのである。


さあ、弁当はできた
今週もまだまだ先は長いが、これ一つあれば乗り切れる気がする。火曜日という名の“精神の砂漠”を、この弁当と共に歩いていこう。


それではみなさん、ご一緒に。
いただきます!いざ、気張って参ろうか!
もぐもぐ! (13)