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週末である
まこと土曜日曜ってありがたいことに2日お休みの連休。「連なる休み」って嬉しいよね
子どもたちが巣立って久しい
今では夫婦ふたり、肩を寄せ合うというよりも、それぞれのスペースを心地よく保った、静かな生活が日常だ。若い頃のように、あれこれ予定を詰め込むこともなく、特にすることもなく、時間がただゆっくりと流れていく。こんなふうに、何も起こらない時間を「贅沢だ」と感じるようになったのは、いつからだろう。
とはいえ
あまりにも何もせずにダラダラするのも、それはそれで物足りない。そう思って、土曜日は夫婦で映画を観に行くことにした。選んだ映画は、名画中の名画
「風と共に去りぬ」
1939年公開。といっても知っている人は極めて少なくなったであろうこの作品を観るというのは、なかなか優雅なることではある。なにしろ、私の母親とほぼ同年代の映画だ。小学3年時に一度劇場で接し、あとはテレビで何度も観たが、あの「壮大な世界」の記憶は、ずっと頭の片隅に残っている。
だが
現在の感性で接するとどんなものであろうか。ずいぶん古々しく見えるのではないか。さような不安もあったのだが、まるっきりの杞憂だった。まさに「映画とはこういうものだ!」と唸らされるような完成度。物語のスケールの大きさ、衣装の豪華さ、音楽の力強さ、そしてなにより俳優たちの存在感。
クラーク・ゲーブル演じる
レット・バトラーは、もう反則級にかっこいい。そして、ビビアン・リーの美しさといったら、ため息が出る。彼女が演じるスカーレット・オハラという女性は、実に傲慢で、自己中心的で、正直に言えば一緒にいたら疲れそうだが、それでも憎めない。いや、むしろ魅力的なのだ。これが「名作」として語り継がれる所以なのだろう。ああ、ビビアン・リーが傍にひとりいたら……などとバカなことを考えつつ、劇場を後にする
2日目の日曜日
友人と昼メシでも行こうかと前日に約束していたので、午後からは外出の予定が入っている。しかし、午前中は完全にフリータイム。ゆっくり寝てもいいし、録り溜めたテレビ番組を消化してもいい。ただ、それだけではなんとなく物足りない
というわけで
冷蔵庫の在庫を確認しながら、「弁当用に何か作り置きしておくか」と思い立った。ちょうどご飯も切れたところなので、まずは炊飯。2合炊けば、弁当4回分が出来上がったそして作り置きおかずには、「切り干し大根の煮物」
子どものころ
母がよく作ってくれた。あの茶色く煮えた細い大根に、甘じょっぱい汁がじゅんわり染みていて、ご飯がすすんだ。地味なおかずではあるが、噛むたびにじんわりと旨味が広がる、あれこそ「和の知恵」だと思う。以下、今日のレシピ
【切り干し大根の煮物】
[材料]
切り干し大根:50g
油揚げ:1枚
ちくわ(小):1本
サラダ油:大さじ1
◯調味液
もどし汁:1カップ
だし:1カップ
みりん:大さじ1
酒:大さじ1
砂糖:小さじ2
醤油:大さじ2
① 切り干し大根はさっと洗い、カップ4杯分の水に20分ほど浸して戻す。軽く絞り、戻し汁は1カップだけとっておく。
② 油揚げは両面に熱湯をかけて油抜きし、縦半分に切った後、幅7~8㎜にスライス。ちくわは5㎜幅の輪切りにしておく。
③ 鍋にサラダ油を熱し、切り干し大根を炒める。油がまわったら油揚げとちくわを投入し、さらに炒める。
④ ◯の材料を入れ、10分ほど煮る。
⑤ 醤油を加え、落し蓋をして、少し煮汁が残る程度まで中弱火で煮詰めて完成。
これだけの作業だが
朝の静かな時間に小鍋をかけて、野菜の香りが漂ってくると、なんとも言えない幸福感が湧いてくる。レシピ通り、きっちり手順を守って調理しただけなのに、なんともまあ、旨い。小鉢に一口分よそって、試食してみた。ああ、これこれ、この味。噛めばじゅわっと染み出す出汁。ほどよい甘さ。ちくわの弾力。油揚げの優しさ。おかずにしてよし、つまみにしてもよし。なにより、これを自分で作れたという達成感がうれしい。
いつもの作り置きケースに
きっちり詰めて、冷蔵庫へ。これで今週の昼メシには悩まなくて済む。しばらくは「俺の味」が冷蔵庫のなかで待っていてくれる。
休日の午前
映画の余韻と、出汁の香りに包まれたキッチンで、私はしみじみと思う。平凡な日常の中にこそ、幸せの種は転がっているのだと。たいしたことをしたわけではない。けれど、たしかに今日も良い一日だった。次は何を作ろうか――そんなことを考えながら、珈琲一服