• お気に入り
  • 15もぐもぐ!
  • リスナップ
手料理
  • 2025/06/05
  • 40

【本日の俺飯】

みんなの投稿 (1)
【本日の俺飯】失敗は成功の母になるはずだZE!中華弁当!


今日は木曜日
いよいよ今週最後のお弁当の日である。明日は金曜日ではあるが都合にて弁当は不要。ということは、週に何度か訪れる“弁当作りからの解放”が明日に控えているわけで、心なしか朝の目覚めも軽やかだ
「いや〜、今日は気楽だぞ」
鼻歌まじりに台所へ向かい、冷蔵庫から食材を取り出そうとしたその瞬間、事件は起きた。正確には事件が“発覚”したというべきか


冷凍庫の扉が、開いていた

「……え?」
一瞬、自分の目を疑った
だがどう見ても、隙間が空いている。数センチ、いや数ミリの油断が、恐ろしい事態を引き起こすことがある。今回はまさにそれだった。扉がきちんと閉まっていなかったのだ。たぶん前回開けたときの自分の不注意だろう。閉めたつもりが、最後まで押し込めていなかったらしい。


中を覗いた刹那
目の前が真っ白になった。いや、霜で白くなってはいるが、そればかりではない。アタマの中は真っ白け。悲しみと衝撃でパニックに陥ったのだ。我が冷凍庫コレクション、あらかた全滅


【無念の溶けていたものリスト】
・白身魚のフライ:5枚
・甘塩鮭:3枚
・肉肉焼売:ほぼ1パック
・自家製作り置き惣菜:ひじき煮と切り干し大根
・その他、名前も思い出せない諸々の冷凍食品たち

冷凍保存という“時を止める魔法”が失われた瞬間、彼らは儚くもこの世の摂理に従って解凍されてしまった


中でも
白身魚フライと甘塩鮭の犠牲は大きかった。どちらもお弁当界のレギュラー選手であり、わが弁当のスターだったのだーーーッ!ああああ、のり弁つくれないいい


【なんとか無事だったもの】
・白飯パック:2個
・冷凍庫の端っこにいたひじき煮:少しだけ

……この冷凍庫に残った白飯2個と、瀕死のひじき煮は、まるで戦場を生き延びた数少ない兵士のように見えた


泣いていた
心の奥では、泣いていた。泣き叫びたいほどのショック。しかし、立ち止まってはいられない。今日はお弁当を作らねばならないのだ。そして、今週のお弁当は今日が最後。つまり、この一食を乗り越えれば、明日からは“弁当の呪縛”から自由になれるのだーーーッ!


繰り返す
泣いている場合ではない。前を向こう。そう、料理は人生そのもの。思わぬトラブルに見舞われようとも、立ち上がり、なんとか仕上げていく。それが、お弁当を作る者の覚悟である。気持ちを切り替え、冷蔵庫と相談しながら、本日のメニューは以下の通り



① 海老のチリソース
前夜の晩ごはんの残り物。家内が電子レンジで作った簡単バージョンとはいえ、豆板醤が効いていてなかなか本格派。ピリ辛の味わいが白飯によく合う。冷えても味がしっかり残っているのが嬉しいポイント

② 棒春巻
業務スーパーで購入したもの。細身で可愛らしいフォルムは、お弁当箱に詰めるにはぴったり。さらに言えば、ご飯とおかずの“仕切り役”としても優秀。頼れる存在感である

③ ひじき煮
これは冷凍庫でギリギリ生き残っていた数少ない戦友。冷凍とはいえ、自分で丁寧に作った作り置きなので、味は確か。しかも、海藻類は健康にもよいので、地味ながらもお弁当の品格を高めてくれる

④ 厚焼き玉子
こちらは冷凍食品。これもまた業務スーパーで手に入れたもの。もはや説明不要の安定感。朝のバタバタした時間帯に手早く準備できる救世主である


こうして
冷凍庫崩壊事件のダメージを最小限に抑えつつ、なんとかお弁当は完成した。見た目も悪くない。いや、むしろ、よくやったと思う。“完璧”とはいかなくても、“最善”を尽くせたと言えるだろう


今週最後は中華弁当!
なんとか形になってよかった。食べる人がそれなりに満足してくれることを祈りつつ、弁当箱の蓋をそっと閉じた。そして改めて心に誓う


冷凍庫の扉は
絶対に、確実に、しっかりと、閉めるべし。
弁当は、戦いだ。朝の時間との、食材との、そして自分自身との闘い。だがそこには、愛と工夫と忍耐、そしてほんの少しのユーモアがある


今日もまた一つ
弁当を通して人生を学んだ気がする。さあ、今週ももうひと踏ん張りだ
もぐもぐ! (15)