2018年08月01日 (更新 2024年11月21日)

あの伝説の炊飯土鍋「かまどさん」が電気炊飯器に!究極の土鍋ご飯が簡単過ぎて、笑いが止まらない

土鍋でていねいに炊いたご飯って、おかずがいらないくらいおいしいですよね。

編集部のごはんマニアのスタッフによると、なんと、超ヒット・炊飯土鍋「かまどさん」に、電気炊飯器バージョンがあるとか・・!

でも、土鍋ご飯を電気で炊くって、いったいどういうこと? 今回は「かまどさん電気」を開発した家電メーカー、シロカさんにお願いして商品をお借りし、実際にご飯を炊いてみました! その結果をレポートします。

提供元:シロカ株式会社

土鍋ご飯がおいしいのは、熱伝導率&蓄熱率のせい


そもそも、なぜ土鍋で炊いたご飯はおいしいのでしょう? その理由は土鍋の熱伝導率の低さと、蓄熱率の高さにあるそうです(※1)。

ご飯の甘みやうまみの成分を最大に引き出すには、炊きはじめの10分間、40℃~60℃をキープしながら沸騰に導くのがポイント。土鍋は熱が伝わりにくいので、うまく火加減すれば自然にこの条件が満たされるのです。

沸騰してから蒸らすまでは、逆にある程度の高温が必要です。特に蒸らしの時に90℃以上を保つことで水分が完全に吸収され、芯までふっくら炊きあがります。ここで、土鍋の高い蓄熱率が役立つわけです。


1300年の歴史を持つ伊賀焼、その窯元が炊飯土鍋に起こした奇跡

いくら土鍋が炊飯に向いているとはいえ、やはり温度調節にはコツがいり、誰でも気軽に美味しく炊けるものではありませんでした。

そんな常識を覆したのが、奈良時代から1300年も続く、国指定の伝統的工芸品「伊賀焼」の窯元「長谷園」さん。

長谷園さんが作った革命的な炊飯土鍋「かまどさん」は、むずかしいとされていた火加減が不要で、誰でも簡単に炊けるのに、炊き上がりが本当においしいことで大評判になりました。

2000年の発売から累計で80万台以上を売り、注文してから半年待ちという噂も…。

まるで“大事な箱入り息子”!? 厳重な梱包にびっくり!

そんな伝説の炊飯土鍋「かまどさん」をそのまま使ったという電気炊飯器「かまどさん電気」が、ついにわが家に来ました!

段ボールをあけると、高級感たっぷりの光沢のある箱が。中には長谷園さんからの心のこもったお手紙。ほかにもメニューブックとブランドブック、説明書とともにさまざまな付属品が。

しゃもじ表面の刻みは、鱧の骨切りのように芸術的な細かさ。しゃもじ置きのマットの重量感もすごい
ほかにも水カップのふちのグラデーションの美しさ。鍋つかみ用の手ぬぐいは、100年を超える老舗「戸田屋商店」製。付属品を見ているだけで、早くもドキドキしてきます。
「かまどさん電気」誕生までの物語を綴ったブランドブック、1か月分のレシピが載っている「三十日の献立集」は、どれもすぐ作りたくなるメニューばかり。

土鍋の重厚感に隠された秘密。


付属品の入った箱の下には土鍋本体が!! 上ふたの下には、どっしりした厚みの中ふたと土鍋。厚み、光沢、重さ、フォルム、すべてがすごい存在感です。

じつはこの肉厚な成型が、お米に最適な熱伝導の秘密

直火部分を肉厚につくることで、中に対流ができるため、炊き上がったお米が立つそう。

また底光りするような美しい光沢にも秘密があり、美しいだけでなく、釉薬の遠赤外線効果による加熱という意味があるのだとか。

そしてさらに中ぶた・上ぶたという2重構造が圧力釜の役割を果たし、吹きこぼれを防ぐ仕組みになっているんですって。

ひとつひとつが、おいしいご飯のために考え抜かれた、究極の形なんですね。

炊飯器本体は、びっくりするほどシンプル。


その下の電気炊飯器本体のシンプルさには正直「これだけ…?」とびっくり。

でもこの形にも、熱の循環構造の極意がつまっています。土鍋をすっぽり包んで効率よく排熱を行うための形なんです。
最も苦心したのは、「呼吸する土」のよさを壊さず、どうやって絶縁体である土鍋に電気を通すか。試行錯誤の末に到達したのが、この超シンプルな構造のヒーターだそうです。
「かまどさん」で電気炊飯器を作りたいというメーカーは多かったそうなのですが、従来の仕組みでは熱を伝えるために金属板を土鍋の全体に埋め込む必要があります。

これでは「かまどさん」の命である“呼吸"ができなくなってしまい、長谷園さんのOKが出なかったそう。

「かまどさん」に心底惚れこんでいたシロカさんは「かまどさんをそのまま生かす電気炊飯器」に挑戦し、ついにOKをもらったそう。そこまでにかかった期間は実に約4年。

本当にこだわりぬいて作られた炊飯器なんですね。

使い方は、「スイッチを押す」、以上!!


説明書を読み、手順どおりにご飯を炊いてみました。と言っても、研いで、水加減をして、中ふたと上ふたをセットするだけ。

パネルも思いっきりシンプル。お米の種類、メニュー、炊飯量、炊きあがりの固さをそれぞれ選び、あとはスイッチを押すだけ。それで終了です。

お米が光って、立っていて、香りが甘い!

50分後、炊きあがった音が鳴りました。土鍋部分が熱々なので、付属品の手ぬぐいを使って取り出し、付属の鍋敷きの上に置きます(入れたままにしておくと、おこげができやすくなるそうです)。
見てください、お米がツヤツヤ光っていて、一粒一粒、シャキッと粒立っているのがわかります。そして香りが、びっくりするほど甘い! いつもと同じお米なのに、見た目も香りもまるで違います!

さっそくいただきました。ご飯って、こんなに甘いものだったんだなあ…。かむたびに、あまみやうまみがわいてきて、感動的なおいしさです。おかずに邪魔されずに、ずっとこのおいしさを味わっていたい気持ち。

冷やごはんが、驚異のおいしさ!


「かまどさん」のさらなる実力を発見したのが、冷めたご飯を食べた時。冷めているのに、ほとんど固くなってないんです! むしろ冷めたことで噛み応えがしっかりし、甘味がより強く感じられます。炊き立てとはまた別のおいしさに進化しているような。
その理由は、「かまどさん」の素材となる土にあるそうです。

土に含まれた細かな気泡が、まるで呼吸するように、炊飯に必要な熱と水分の調節を自動的に行ってくれるのです。つまり、木のおひつに入れているような効果があるんですね。

ご飯が美味しければなんでもご馳走に。人生を変える炊飯器。


今回、使ってみてつくづく思ったのは、これだけおいしいご飯を、毎日、手軽に食べられるようになったら、食生活が根底から変わりそう、ということ。

あれこれ手をかける必要なんてなくなるし、むしろシンプルで本当においしいものがあればいい、そんな気持ちになります。

だって、ご飯がおいしすぎて、梅干し、たらこ、そんなものがとびっきりの、泣きたいくらいのごちそうに思えるんですよ。

「かまどさん電気」はもしかしたら、使う人の人生を変える炊飯器かもしれません…。
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※1 「おいしさをつくる「熱」の化学」(柴田書店刊/佐藤秀美著)
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