2023年06月29日 (更新 2024年11月21日)

【大豆ミート料理研究家に直撃!前編】達人だけが知っている“奥の手”聞きました!

今では日常的に目にするようになった大豆ミート料理。ヘルシーだったり使いやすかったり環境負荷が低かったりと、いいこといっぱいなのは知ってるけど、なんとなく今まで試す機会がなかった…、という人はまだ多いのでは?
Snapdishでは、そんな大豆ミートの魅力をもっと多くの方に知っていただきたいと考え、2022年3月29日(肉の日)に「肉の日に大豆ミートプロジェクト」を発足しました。その活動のひとつとして今回は、長年にわたって大豆ミート料理を研究している料理家・坂東万有子さんにインタビュー。前後編の2回に渡ってお届けします!

今回は、坂東さんが日々実践している大豆ミート料理のテクから、意外に知られていない裏ワザを公開します。大豆ミート愛用者も、使ったことがなかった人も今すぐ試してみたくなること間違いなしですよ!

■大豆ミート愛のルーツは、子供の頃に食べた精進料理

今回お話をうかがう坂東万有子さんは大豆ミート料理研究家で、「SOY食クッキング」を主宰されている、まさに大豆ミートの伝道者で、大豆ミート料理の達人です!

大豆ミート料理歴25年以上の経験を活かして料理教室やレシピ開発、メディア出演など多岐にわたって活動されていて、「大豆ミートのヘルシーレシピ」「戻さずポンッ!大豆ミートの楽うまレシピ」(どちらも河出書房新社)などの著書もあります。

▲坂東さんのレシピ本「戻さずポンッ!大豆ミートの楽うまレシピ」(河出書房新社)

編集部)大豆ミート料理歴25年とのことですが、25年前というとまだ大豆ミートをご存じの方は少なかったのでは…。
坂東さん ⾃然⾷品店やベジタリアン向けのお店で⾒かけることがほとんどでしたね。
編集部)何をきっかけに、大豆ミートに興味を持たれたんでしょう?

坂東さん 幼い頃の体験です。⼦どものころから⽇本の⾷⽂化や伝統⽂化に興味関⼼があったのですが、⽇本⾷と切っても切り離せないのが「⼤⾖」ですね。⾖腐、醤油、みそ、ゆば、納⾖…もともとの⼤⾖の形からさまざまな形に姿を変え使われています。

ある⽇、精進料理や茶懐⽯料理をいただく機会がありました。親からは「今⽇の料理はお⾁を使っていないからね」と聞いていたけれども、⾁団⼦のような美味しいお料理があって、「これは何でできているの?」と尋ねると「⼤⾖だよ」と教えてくれました。もともと⾖腐やゆばが好きだったので「⼤⾖っていろんな形になって、⾯⽩いなぁ」と興味を持ったのが最初のきっかけでした。
坂東さん 学⽣時代は料理が好きで、ある時「ベジタリアン向けに⼤⾖でできた唐揚げがある」と聞いて⾷べに⾏きました。⼤⾖をつぶして唐揚げにしたのかなと思ったらまったく違い、弾⼒ある⾷感で美味しかったのです。それが⼤⾖ミートの唐揚げでした。⼤好きな⼤⾖の新アイテムを知ったとばかりに、当時まだ珍しかった⼤⾖ミート料理作りにハマりました。

鶏⾁の唐揚げも好きだけれど⼤⾖ミートには⼤⾖ミートの良さがあり、愛⽤しているうちに⼤⾖ミート料理ならではのメリットを発⾒していくとともに「今後の⾷⽣活に必要とされるものだ」と確信しました。まだ多くの⼈に知られていないのはもったいないと思い、この仕事を始めることにつながりました。
編集部)ベジタリアンでいらっしゃるのかと思ったんですが、そうではないんですよね?

坂東さん はい、お⾁をいただく時は感謝して美味しくいただいています。 ⼤⾖ミート料理研究を始めた当初は一般的に「大豆ミート=ベジタリアンが食べるもの」というイメージが強かったので、「本物のお肉が食べられるのに、なぜ大豆ミートを食べるの?」と、ベジタリアンの人からもそうでない人からも不思議がられたものです…。

誰にも理解されない時期が長かったので、ここ最近大豆ミートが多くの方に知られて、選択肢のひとつとなってきているのは、本当にうれしいですね!

■「乾燥タイプは袋から出したまま、戻さずポンッとお鍋に入れてます」(坂東さん)


編集部)そんな坂東さんが日々、どんな風に大豆ミートをお料理に取り入れているか、ぜひ教えてください。

坂東さん ⼤⾖ミートは最近、戻さず使える便利なレトルトタイプが多く出ていますが、私は昔ながらの乾燥タイプもよく使います。

乾燥タイプは、基本的には湯などで3倍の⼤きさに戻してから下味をつけたり調理したりするので、慣れないうちは「⾯倒そう」「ハードルが⾼い」と思う⽅も多いのですが、私は例えばカレーを作る時は、野菜を炒めてお⽔を⼊れて煮込む時に⼀緒に煮ながら戻します。乾燥タイプを戻さずそのまま鍋へ加えて煮るだけなので、とてもラクで簡単ですよ
坂東さん 野菜が柔らかくなる時間と同じタイミングで⼤⾖ミートも柔らかくなりますし、戻る時に野菜の旨みが出ているスープを吸い込むので、美味しく仕上がります。同時にコンソメや少量のカレールーを加えておけば味がしっかり⼊ります。
▲「戻さずポンッ!大豆ミートの楽うまレシピ」(河出書房新社)より転載

編集部)乾燥タイプが袋から出して入れるだけで美味しく仕上がるなんて、目からウロコです・・・!

坂東さん この使い方は、カレーやシチュー、炊き込みご飯、アヒージョや煮物など、いろいろな料理で応用が効くので、ぜひ試してみてほしいですね。

あまりに便利で美味しくて幅広く料理に活用できるので、多くの方に試してほしくてまとめたレシピ本が「戻さずポンッ!大豆ミートの楽うまレシピ」です。
▲乾燥タイプの大豆ミートをニンニク風味のオイルに入れるだけの「大豆ミートときのこのアヒージョ」。
▲乾燥タイプの大豆ミートを使った「大豆ミートのねぎすき焼き」は、焼きねぎの香りが大豆ミートに沁み込んで、絶品!

※2点とも「戻さずポンッ!大豆ミートの楽うまレシピ」(河出書房新社)より転載

■カット野菜を使って、包丁・まな板いらずの「絶品★肉野菜炒め」を作るコツ


編集部)レトルトタイプは便利なので私もよく使っています!坂東さんはどんな風に使っていらしゃいます?

坂東さん 回鍋肉や、肉野菜炒め、焼きそばなど、忙しい時によく作る炒め物にはレトルトタイプが便利です。

最近の大豆ミートはとても美味しくなってきているのですが、炒め物に使う時にもっと美味しくする裏技があります。それは、炒める前に薄く片栗粉をまぶすこと。
坂東さん 1袋あたり⼩さじ1程度の⽚栗粉をまぶしてから炒めると、⾹ばしい焼き⽬がつき、調味料が絡みやすくトロッとした⾆触りに仕上がって、他の具材との⾷感バランスが良くなります。

また⼤⾖ミートは⾁類と違って油分をほとんど含まないため、炒め油をきもち多めにひくと炒めやすくなります。⼤⾖のにおいが気になる⽅は、ごま油を使ったり、⾹味野菜のニンニクやしょうがをきかせるのもおすすめです。

▲このひと手間で、レトルトの大豆ミートがびっくりするほど美味しくなります!

※2点とも、坂東さんのInstagram(@mayuko_bando)より
編集部)いいことを聞きました!大豆ミートはカットした状態で入っているので、カット野菜を使えば包丁もまな板も使わずに作れますね。今晩さっそく試してみます!そう考えると、大豆ミートって本当に便利ですね。

インタビュー後編「大豆ミート料理がやめられない3つの理由編」に続く!

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