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なぜ、2本なのか? 俺が介護をさせていただいているお爺ちゃんで、昔、射撃を趣味にしていて(今でも家にはたくさんの猟銃があります)、それで、射撃場のひとつが千葉にあって、よく行っていたそうです。千葉に行くと、真っ黒なラーメン、いわゆる竹岡式ラーメンを食べていらっしゃっていて、時々そのことを楽しい思い出として俺に話されます。今は車イスになってしまい、千葉に竹岡式ラーメンを食べに行くことなど、とうてい無理だということは本人が一番よく分かっていらっしゃいます。
一方で、俺は、三茶に竹岡式ラーメンの店ができたことを知っていました。お爺ちゃんに「三茶に竹岡式ラーメンのお店ができたんですよ」と言うと、「僕は行けないけど、竹下さん食べてきなよ」とおっしゃる。「絶対に美味しいから。チャーシューも美味しいんだよ」と。
俺は食べました。凄く美味しかった。そして、先週、チャーシューを予約する時、店主に「ラーメンのテイクアウトってできませんよね」と伺いました。「以前はやっていたんですけど、今はやっていないんですよ」と言われました。
俺は、お爺ちゃんにラーメンを食べてもらうことはできないけど、チャーシューなら持っていけるなと、それで2本買ったんです。お爺ちゃんはグルメです。俺ともいろいろな料理やお店の話をします。彼の残り少ない人生で、竹岡式ラーメンを食べることは、ほとんど諦めていたと思うけど、そしてチャーシューも。だけど、明日、俺は彼にチャーシューをプレゼントしようと思っています。まったくのサプライズです。渡す俺も凄く楽しみです。今、100均で保冷袋も買ってきました。
ちなみに、今日のお昼は茶異菜で担々麺を食べたんだけど、こんな話を松浦さんにも言ったんだけど、松浦さんが、「店主に言ったら、スープを売ってくれるかもしれませんよ。それで麺は麺で、桂さんがお爺ちゃんのところで茹でれば、竹岡式ラーメン、できますよ」と言ってくれました。
それで、さっき「らーめんラブル」の店主にも言いました。すると彼が、「そういう話なら、いいですよ。いつでも言ってください」と。なんと! 竹岡式ラーメンをお爺ちゃんに作ってあげることも夢ではなくなった。
照れながらもメチャメチャ喜んでくれて、それからというもの、ラーメンに入れたり、タマゴと絡めたり、少しずつ食べていらっしゃるみたいで、これは竹岡式のチャーシューなんですが、俺は苗字を「竹下」と言いますが、「竹下式チャーシューでいい」と言って笑っていらっしゃいます。