2025/11/8 麻婆豆腐（からいししとうも美味しく食べるには Part 4）　Mapo Tofu

麻婆豆腐はみんなの好物なのに、今日は誰もお代わりしなかったので、ままは驚きました。
「どうしたの？」
「お腹いっぱいだから」
「そんなはずないよ。麻婆豆腐専門店でテイクアウトすると、いつもすごい量食べるじゃない。今日はどうして食べないの。レシピのせい？　私のせいかな？　確かに肉を入れ過ぎたよ。ちょっと肉を控えればよかったね」
「いや、肉は減らさないでいいよ」
「そう、とらちゃん、じゃ何よ？」
重苦しい沈黙がその場を支配しました。ぼくたちはふつう、互いの仕事についてあれこれ言わないのです。

ままが困っていらいらしているので、ようやくぼくは重い口を開きました。
「そうだねえ。まず、麻婆豆腐といえば、ピリッと辛いものでしょ。これ、全然辛くない」
ままは、ほっぴたちのことを考えて豆板醤を独断で70％減らしたことを認めました。

次にマーリンが言いました。
「あと、なんかドライな感じなんだ。お店で食べると全体がもう少しもったりしたスープに覆われてるよね」
ままは、肉の好きなぼくや他の子のために、それから筋トレを始めた自分のために、レシピで100gのところ400gも挽肉を入れたこと。しかもスープは25％しか増やさなかったことを認めました。だから肉どうふみたいになっていたのか。

今度はボリスが言いました。
「それから…….何かが足りないんだよ。風味が空っぽっていうの？　肉の脂の味ってUMAMIでしょう。それがない」
ままはばつが悪そうにしました。
「ああ、それね。今日は豚肉を使わなかったの。肉はたくさん食べたいけどダイエット中だし飽和脂肪酸を考えて、脂身がとても少ない、バイソンの挽肉にしたんだ。赤身ばかりですごく質がいいし、高かったんだから」

みんなはため息をつきました。
外から帰ってきたパイカに話をすると、
「筋トレ始めたままの気持ちはわかるけど、バイソンで麻婆豆腐は健康オタク的かもしれないね。そもそも麻婆豆腐の主な蛋白質は豆腐だから、肉はUMAMIになる程度の量でいい。うちは化学調味料がないんだから、せめて豚とバイソンを半々にしないと」と言っていました。

ままはみんなに謝りました。次の機会に、豚を最低50％は使って麻婆豆腐のリターンマッチをしてくれるそうです。
（とら談）