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ビンボーくさい
というのが御歳88の母親の口グセだ。ビンボー人に生まれ育ち、長じてからもビンボー、現在もより一層ビンボーだから、資産状況に恵まれない生活そのものは仕方のないこと。甘んじて受け入れるより他はないのだが、ビンボーにみえることが嫌い、すなわち『ビンボーくさい』と自らにも、よそ様にも受け取られるのが嫌なそうだ
彼女にとって
もっともビンボーくさく感じられるのが食生活だ。毎食々々おかずがひと品というのが大嫌いで、ご飯も大量に用意する。もちろんすべてを食べ切るわけではないが、『おかわり出来ない状況=ビンボー』という事らしい。そしてもっともビンボーくさいのが
魚肉ソーセージ
腸詰まがいで魚なのか肉なのか、得体の知れない存在感が嫌なのと、若き日の貧困時代に、コレしか食べられなかった。左様な事情から好まないという事だ。したがってわが家で魚ニソを見たことがない。同世代はコレで育ったというものが多いというのに
魚ニソを食べたのは
高校生くらいになってからだ。なかなか美味いではないか。香辛料がしっかり効いていて、肉類、魚類に次ぐジャンルとして扱ってもよいのではないか。と母親に進言したのだが、偏見の強い彼女の意見は変わる事がなかった。本日のメニューは、そんな思い出を胸に西友で買い求めた4本268円の魚ニソが主役なのだーーーッ!
①魚肉ソーセージの蒲焼き
②焼きビタミンちくわ
③焼豚
④しば漬け
⑤むき枝豆
主役である①は、細かく切れ目を入れた魚ニソを油焼きし、醤油1、みりん1、酒1、砂糖0.5の割合で作ったタレに絡めトロミがつくまで加熱して出来上がり。切れ目にタレが染み込んで美味くなったぞ。②は長野県民ソウルフード!株式会社スギヨまんせーーーッ!チーズを詰め込んでオーブンで10分ほど焼き③は一昨夜買ったもの、④⑤は彩り要員として
魚ニソもちくわも
ごろり1本まるごといれるつもりであったが、弁当箱に納まらない。仕方がないので魚ニソを半分にする。Bちくが主役っぽくなってしまったが、まぁよいではないか。どーせ私などいい加減なヤツなのだ
母親の偏見などものともせず
わが半生を乗り越え作り上げた弁当はいかがであろうか。山椒があれば魚ニソにふりかけたのだが。と、書いたところでカラフルふわふわJK弁当からますます遠くなってきたのが哀しくてならない
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