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  • 2021/01/19
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信州亀齢 美山錦 純米吟醸 無濾過生原酒 R2BY 長野県上田市 岡崎酒造

みんなの投稿 (1)
Japanese Sake "Sinshu-Kirei"
jummai-ginjo shu
made from premium branded rice "Miyamanishiki"

jummai: pure-rice sake (i.e. without added alcohol or sugar)
ginjo: made from higly polished rice using special technic

2021/01/01 開栓
今年初の酒はこれになった。元旦の酒ということでいえば、これの他に紀土など他にも飲んではいるが。

以前ひとごこち純米吟醸を投稿した際に書いたが、祖母の実家が代々上田に縁のある家系だったそうで、勝手に親近感を持っている酒造である。

10月に同じ信州亀齢美山錦純米吟醸のR1BY(R1=令和1年、BY=醸造年)ひやおろしをいただいたが、だいぶ印象が違うので驚いた。こちらの方が、かなり美味しい。何が違うのだろうか?

共通するのは、男性的、ストレートで直情的なところ。アルコールも甘味、米の旨味や香りも、まっすぐ訴えてくる。

R1BYはその分、野太く、ややもすれば粗野にも感じるといった体であったが、R2BYは洗練されている。同じ信州亀齢のひとごこち純米吟醸に感じたような、爽やかさや綺麗さがよく出ている。信州亀齢は名前のとおり「綺麗」な酒とよく言われるが、この綺麗さが昨年のものを大きく凌駕する。

これは「ひやおろし」と「ムロナマゲン」の差よりも、もっと大きなものを感じる。R1BYとR2BYの差、ひらたく言えば、今年(もう去年だけどR2BY)のデキが昨年よりよいということだろう。同じ信州亀齢でもR1BY美山錦ひやおろしならば明確にひとごこちのほうが旨いと言えたが、R2BY美山錦ムロナマゲンは勝負できる。
ムロナマゲン、無濾過生原酒は、生というだけで有り難がる人も多いのだが、濾過や火入れなど味を安定させる操作をしていないデリケートな酒で、鮮烈や若さはあれど、まとまりが無かったり、どちらかといえば乱暴な酒であることが多いのだが、不思議なものでこの美山錦は、去年のひやおろしよりよほど落ち着きがよく、また優雅である。

味の中心は米をしっかり噛んだときの香りと甘味。三重の作もこの質だが、作より甘く、太い。だが、粗野ではない。真っ直ぐ太く筋の通った甘味、旨味。
酸は爽やかな程度に感じる。ひとごこちに感じたようなヨーグルトめいた酸味はない。質はもっと穏やかで、しっかりとした甘味や米由来のボディと混ざると良質のサイダー。あるいはラムネ。
ひとごこちほど個性的ではないが、直情的な艶やかさは悪くない。男性的だがマッチョではなく、色男の風情。

試してみると、案外洋風の肴にあう。元旦に開栓したためつまみは今年のおせちが中心だが、とくに相性がよかったのはクローブが控えめに効いたサラミ、カンボゾーラ(チーズ)、からすみ餅、それからサーモンのマリネ。
数の子はイマイチか、悪いとは言わないがそこまであわない。黒豆、悪くない。なお元旦の投稿のときにも書いたが、つまみの大部分は名古屋市中区の山猫軒のもの。

当日に空にしてしまわずにわざと半分以上の残し、三日かけてあけたが、大きな差は生まれなかった。開くには開いたが、香り、旨味がやや強くなった程度。初日に飲みながら開いた範囲と大差はなかった。

#日本酒 #酒
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