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これにて長野県も
梅雨入りしたのだとか、たくさん降るのか降らないのか、毎年のことながらどうにも統一感がない。だが自然とはそういうものだ。人間の都合で揃ったりはしない。むしろ、ずれたり、外れたり、急に帳尻を合わせに来たり、そういう不安定さにこそ季節の面白さというものがある
さて
そんなわけで「梅雨入り宣言」が出たというものの、私の立ち回り先では、いまのところさほど雨が強く降るわけでもなく、風はほどよく吹き抜け、湿度も不快なレベルには届かず、そして気温も上がりきらず、じつに快適な状態が続いている
傘を差して歩くことはあっても
足元がぐしょぐしょになるようなことはないし、何より空気が重くない。こういう時期の長野は、とにかくありがたい。目に映る緑がくっきりとし、空は薄曇りながらも、どこか奥行きがあって、湿気に濡れた土や木々の匂いが鼻に心地いい。そう、こういう日こそ「梅雨の正解」なのだと思う。そして、そんな気候のなかで私が今日選んだのは、
冷やしうどん弁当
気温がまだ高くなりきらないこの時期に、あえてひんやりとした麺類を弁当に詰めるというのは、夏に向けた“身体ならし”のようなもの。いきなり夏本番の冷たい食事では胃が驚いてしまうし、逆にこの程度の冷えを今のうちから受け入れておけば、暑い日々も少し穏やかに迎えられる気がする
そして主役は、業務スーパーの冷凍うどん
これがまた手軽でいて、しっかり美味しい。レンジで4分間、チンするだけ。もっちりとしていて、冷水でしっかりほぐせば、腰もしっかり戻る
レンチン4分
熱を逃がすように水でよく洗い、冷たくしながら麺を丁寧にほぐす。つるんとした手触り。表面のぬめりを取ると同時に、弁当に詰めてもくっつかないようにするための大事なひと手間
これを丁寧にやるかどうかで
昼の満足度が大きく変わってくる。雑に詰めたうどんは、固まりになりがちで、昼に食べるときに後悔するのだ。そう、うどんは一見ラフでいて、じつはとても繊細な食材でもある
いつもの四角い弁当箱に
冷えたうどんを詰めていくと、思ったより少ない。うどん一玉では全体の3分の2ほどしか埋まらない。空いたスペースを眺めながら、どうしたものかとしばし考え……結果、白ごはんを詰め込むことにした。これが意外と悪くない。うどんとごはんという、いわゆる「炭水化物 on 炭水化物」構成だが、弁当というものはもともと合理的な詰め合わせ。腹を満たし、気持ちを整えるための実用品である。欲望と実用の間に、美学は生まれる
うどんとごはん
どちらかに偏らず、それぞれ半分ずつ。視覚的にも、栄養的にも、なんとなく整った感じがする。もちろん、横には例のごとく、惣菜をいくつかちりばめて完成とした
ブロッコリーと揚げなす、棒餃子
冷凍庫に常備されたいつものヤツら。そうだ、そうなのだ。テキトーでいいのだ。むしろ「テキトーに見えてそれっぽくなる」のが、弁当づくりの腕の見せどころ。…なのかもしれない
ちょっと工夫をしたのが「麺つゆ」
普通のストレートつゆでも十分美味しいが、それだけでは面白くない。今回はスープジャーに入れて、少しだけアレンジしてみた
麺つゆをほんの少し
そこに注ぎ込むのは、無塩のトマトジュース。これがベースになる。トマトの酸味とコクが、冷たい麺との相性抜群。味がやや単調になるのを避けるために、オリーブオイルをひとたらし。ここで急に地中海の風が吹き込む。さらに、ブラックペッパーを少々。香りのアクセントが立ち上がり、ちょっとした洋風スープのような佇まいになった
このままだと
実際にはやや濃すぎるのだ。濃さを調整するために、氷を一つだけ入れておく。昼にはちょうどよく溶けて、味が落ち着いているはず。スープジャーの密閉性が活きてくる場面である。
そんなこんなで、冷やしうどん弁当、完成
手間をかけたようでいて、実際はさほど時間もかかっていない。ただ、冷たさ、食感、味の変化、見た目のバランス、そういったものを意識するだけで、ひとつの弁当がぐっと愛着のあるものになる。
今日はどこで食べようか。
いつものアソコか、降ってなければ外で食べるか車のなかか。少し風のある場所で、湿った空気を胸いっぱいに吸い込みながら、目の前の冷やしうどんをすする。
こういう瞬間があるから、日々は続く。雨が降ろうが風が吹こうが、食べる楽しみがあればそれで十分
今日も今日とて、気張って参ろう