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手料理
  • 2025/11/28
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【本日の俺飯】

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【本日の俺飯】鶏玉子とじ&紅生姜唐揚げ丼

丼もの
カツ丼でも、牛丼でも、親子丼でも、とにかくご飯のうえにのっている具材のことを「アタマ」と呼ぶのだという。この呼び方を知ったのは、じつはわりと最近のことだ。どこかの店で「アタマ大盛り!」という記載を目にし、最初は何のことか少し考え込んだ。ラーメンでいう“油多め”のような、そういう流儀の言葉なのか、はたまた常連客しか知らない隠語の類いなのか

しかし
しばらく眺めていると「ああ、具材がアタマということなのね」と腑に落ちた。なるほど、言われてみれば実にわかりやすい。ご飯を“胴体”とするなら、のっている具が“アタマ”。それなら“アタマ大盛り”は具材多めという、至極納得のいくカスタムだ。なるほどね、そういえばいいのだねと、そのとき妙に感心したものだ

そんな“アタマ”の概念を
胸に刻みながら迎えた本日、ふと自分の弁当を眺めると「これもアタマのオンパレードではないか」と気づく。ご飯のうえにドサリと具材がのる、あの豪快な世界観を、家庭弁当で実践しているにほかならない。本日のメニューは以下の通り

①鶏玉子とじ
②紅生姜唐揚げ
③玉子焼き 牛そぼろ入り
④キノコとちくわのキムチ炒め


①鶏玉子とじ
これは要するに、昨夕の食事が親子丼だったわけで、その残りものを弁当に入れるという、ある意味で最も効率的で合理的で、そして何より素晴らしい行為である。親子丼の具材は、冷めてもふんわり優しく、翌日弁当に入れても味が落ちないばかりか、むしろ落ち着いた旨味が出てくる。家内のつくる料理は、総じて通常レシピより淡く、薄味寄りで、今回も調味料は一般的な親子丼より半分未満ではないかと思われるほど。健康的で、胃袋にも優しく、そしてしみじみ美味い。薄味といっても物足りなさはなく、むしろ加齢とともに“ちょうどいい”という感覚になってくる。これぞ家庭の味である


②紅生姜唐揚げ
業務スーパーにて購入した名作冷凍食品で、以前にも導入したことがある。鶏の旨味に紅生姜の酸味が合わさり、さらに衣のさくさくした歯ごたえが加わると、もう尋常ではない美味となる。紅生姜がここまで唐揚げを引き立てるとは、初めて食べたとき少し驚いたものだ。お手軽冷凍食品と侮ることなかれ。かなり完成度が高い。これを①と並べて弁当ご飯に配すれば、見た目にも華やかで、いかにもテンションが上がる“アタマの競演”となる。本日のメインはこれで無事に完成した


③玉子焼き 牛そぼろ入り
いつもの玉子焼きに、今回は牛そぼろを折り込んだ。牛そぼろは開封してから日が経つと傷んでしまうので、こういうときにうまく使ってしまうのが家庭料理の智慧である。玉子の甘みと牛そぼろの旨味がほどよく混ざり、冷めても美味しく弁当にぴったりだ


④キノコとちくわのキムチ炒め
ほぼ恒例と化した炒めものシリーズ。具材はキノコ、今回はブナシメジ。そしてちくわ。さらに作り置き惣菜の残りものであるザーサイ油炒めを加え、フライパンでさっと炒める。味つけはキムチの素を少々。あまり入れすぎるとニンニクの香りが強く出てしまい、午後にお客様と会う予定の本日としては、それは避けたい。したがって控えめに、しかし香りはほんのり残る絶妙な塩梅で仕上げた。ブナシメジの食感とちくわの旨味、そこにザーサイのコクが合わさると、これまたご飯が進む副菜となる


以上四品を弁当箱に詰め終えると
いつも通りの“いい加減弁当”ができあがった。いい加減といっても、これは悪い意味ではない。あまり気負わない、しかし確実に美味しい、家庭弁当らしい肩の力の抜けた仕上がりという意味である

ふと気づけば今日は金曜日
あと1日やり過ごしさえすれば週末がやってくる。平日の最後の一歩は、なぜこんなにも重いのに、同時に希望に満ちているのだろうか。早く来い来いお休みの日。弁当を手に、今日もなんとか気張って参ろうではないか。こんなささやかな弁当でも、朝にそれを詰めたという小さな達成感が、1日の背中をそっと押してくれる

そして、昼時
蓋を開ければ、そこには“アタマ大盛り”の世界が広がっている。自分で作ったとはいえ、こういう瞬間は少しだけ嬉しい。さて、本日も生きて帰ろう。週末がすぐそこに待っているのだから
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