• お気に入り
  • 9もぐもぐ!
  • リスナップ
手料理
  • 2025/11/14
  • 36

【本日の俺飯】

みんなの投稿 (1)
【本日の俺飯】どこで食べるか迷ったZE!豚こまハンバーグ弁当!

基本的に
私の商売というものは内部に引きこもっている時間が長い。暑いときは涼しいところで、寒いときはぬくぬくと甘やかされ、だらだらと過ごしながら仕事をする。いわば、わが求めるライフスタイルそのままの生業となっているので、ある種の幸福さえ感じる。机に向かい、図面や資料を広げ、黙々と作業に没頭する時間は、誰に気兼ねすることもなく心地よい。しかし、そうはいっても、内部だけで完結する商売ではない。当たり前だが、お客様からご要望をうかがい、現場を訪ね、打ち合わせや段取りといった、いろいろ諸々な外仕事もある。むしろ、それが混じり合うからこそ、この仕事は楽しくてならない。中でも最も楽しいのは、やはりお客様との打ち合わせだ

図面の話、素材の話、工期の話、そして世間話
いろいろ諸々、雑談も含めてのお話しが、どうにも好きだ。もともと私はおしゃべりな性分だから、相手が話してくれればくれるほど、つい乗ってしまう。気づけば予定をオーバーし、打ち合わせ時間が二倍になっていた、なんてこともしばしばある。それでも終わったあとに、「今日もいい時間だったな」と満足するのだから、やはり私はこの仕事が好きなのだ

そして本日は
その楽しい楽しいお客様との打ち合わせ日であった。現場に赴き、あれこれと状況を確認しながら、またしてもいろいろ諸々、お話し三昧。お客様からは宿題をいくつかいただき、こちらも対応策をいくつも提示し、ではまたお邪魔しますねと先方を辞してきたまではよかった。しかし、ふと気づく。さてさて、弁当をどこで食べようか

常であれば
昼どきは避けてアポイントを取るのだが、今回はお互いの前工程や後行程ともに都合が合わず、昼を挟む形になってしまった。本来なら一度拠点に帰るくらいの時間はないこともないが、それはそれで面白くない。来た道は帰らないぜ、LIKE A ROLLING STONE!などと、ミック・ジャガーのようなことを言うつもりは毛頭ないが、戻るのは気分的にしっくりこない。本能的に「外で食べましょう」と決めてしまった。とはいえ、その“外”が問題なのである。そんなわけで本日の弁当メニューは以下の通り

①豚こまハンバーグ
②玉子焼き 大葉味噌・とろけるチーズ入り
③ちくわとキノコ、ピーマン炒め

①豚こまハンバーグ
これはもう、いつものメニューすぎて説明不要と言っていい。うちの奥様お手製の名作、豚こまハンバーグ。ケチャップとマヨネーズをかけていただくのが定番で、何度食べても飽きることがない。安定の味というのは、こういうものをいうのだろう

②玉子焼き 大葉味噌・とろけるチーズ入り
こちらは、いつもなら中に具材をたっぷり挟んでボリュームを出すのだが、あいにく数日前から具材を切らしていた。冷蔵庫を覗くと大葉味噌のチューブだけが残っていたので、それをにゅるにゅると絞り入れた。ほどよく甘くて悪くない仕上がりにはなったが、これで在庫は完全に尽きた。そろそろ何か買ってこなきゃ、と思いつつ包みを閉じた

③ちくわとキノコ、ピーマン炒め
これがこのところのお気に入り。ちくわ、冷蔵庫にあったシイタケとブナシメジ、そしてピーマンをテキトーに刻んで、テキトーに炒め、テキトーに味つけしただけ。しかしながらキノコ類の出汁がじわっと全体に回るのか、意外なほど美味い。簡単で美味くて、冷めても味が落ちないという優秀なおかずだ

さて問題は
これをどこで食べるかなのだ。暖かければ公園のベンチという選択肢もあるが、今日の陽気はどうにもよろしくない。涼しいというより明確に寒い。11月だから当たり前といえば当たり前だが、風の一筋が吹き抜けるだけで肩がこわばる

コンビニのイートインで弁当を食べる人もいる
あれはそこで買った弁当なら許される雰囲気がある。しかし自作弁当となると、なんとなく気が引ける。誰も見ていないし、スタッフさんもなにか言うわけでもないとは思うのだが、気にし始めると落ち着かない。そんな状態では弁当も美味くなくなる。だからといって、10代の若者のように店の前でぺたんと地べたに座ってランチ、というのは論外中の論外

仕方なく
スーパーでお茶を買い、そのまま駐車場の車内でいただくことにした。車内というのは気兼ねなくてよいものだが、意外と食べづらい。膝の上に弁当を置けば傾くし、箸も落ちかける。何より電子レンジがないから冷たいまま食べなければならない。味は好きでも、やっぱり温かいほうが良い

そんなこんなで
今日の昼下がりに私はひとつ、静かに心に誓った。今後はスケジュールをしっかり調整して、できるだけ拠点に戻り、ゆっくり、落ち着いて弁当を食べるようにしよう、と。外の空気も悪くはないが、やはり自分の場所で温かいまま食べる弁当こそ、最高の贅沢なのだとしみじみ感じた一日であった
もぐもぐ! (9)