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手料理
  • 2025/12/04
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【本日の俺飯】

みんなの投稿 (1)
【本日の俺飯】息切れ木曜日はスッパクナイス弁当で乗り切れる?

ようやく週半ばをすぎ、木曜日に至った
カレンダーをめくるでもなく、体感としてそう思うだけなのだが、週の流れというのは年齢を重ねると実に如実で、月曜の重さ、火曜の持久戦、水曜の中だるみ、そして木曜の「あと少しでなんとかなるだろう」という希望と疲労の入り混じり具合が非常にわかりやすい。あと2日で週末!と素直に喜べるか、あと2日もあるのか…と嘆いてしまうか、率直なところ私は完全に後者なのだ。素直に「嬉しい!」と跳ね上がれたのはいつの時代だっただろう。今は木曜日の朝の時点で、すでに「週末までは持ってくれ、頼む」と身体に祈りを捧げているような状態である

体力も、やる気も、なかなか元に戻らない
もちろん、スティーブ・マックィーンのように颯爽と走り抜ける人生を望んでいるわけではないが、それにしても昔はもう少し、動くことも働くこともできた気がする。いや、気がするどころではなく、事実そうだったのだ。だが、考えてみればそりゃそうだ。数えとはいえ、あと3週間もすれば還暦である。60年も生きた身体が、まるで20代のように軽やかであろうはずもない。朝起きて鏡を見るたび、「オレの人生、確実に下り坂だよなぁ」と苦笑してしまうのだが、下り坂もまた景色が変わるといえば変わる。そうやって自分を励ましつつ、今日も今日とて、なんとかお弁当作りに向き合おう。そんなわけで、本日のメニューは以下の通りである。

①鶏のさっぱり煮
②里芋と鶏肉の煮物
③ソーセージ
④ちくわとキノコとザーサイ炒め
⑤玉子焼き 牛しぐれ煮入り

①鶏のさっぱり煮
これはすでに何度も登場している、うちの家内の得意技である。ミツカンのCMで、山岡久乃と子どもたちが仲良く「スッパクナイス!」と言っていたあの料理だ。あのCMは当時、どのようなシチュエーションで、どんな設定だったのか、今となっては完全に謎で、映像の記憶だけがぽつんと残っている。しかし、そんな細かいことはどうでもよい。家内が作ってくれた料理が残っていることは、それだけでありがたい。残りものがあるというのは、どこか生活の余裕の証でもある

②里芋と鶏肉の煮物
これも家内の手料理で、10日ほど前の夕食に登場したメニューだ。冷凍庫の片隅に眠っていたのを、先ほど発掘した。皮を剥いた里芋と鶏肉を、ほんのり甘く煮上げたもので、余計なものが入っていないのが実に好ましい。飾り気はないが、それがむしろ嬉しい。歳を重ねると、こういう“素朴な美味しさ”がしみじみ心に沁みるものである

③ソーセージ
みんな大好き、業務スーパーで購入した安いソーセージである。これもまた冷凍庫の片隅に眠っていたのを発掘した。半分に切ってタコさん状にし、塩胡椒だけで炒めてみた。別に大人になってタコさんウインナーを食べる必要はないのだが、ひと工夫すると、なんとなく「弁当テンション」が上がる。こういう小さな工夫で気分を保つのも、平日の大切な儀式だ

④ちくわとキノコとザーサイ炒め
ちくわとキノコ(ブナシメジ)、そして冷凍していたザーサイ炒め。この三つを合わせて炒め、鶏ガラスープの素とポン酢で味つけをした。意外な取り合わせだが、これがなかなかに美味しい。ちくわの優しさ、しめじの香り、ザーサイの塩気がまとまり、ほんわり穏やかな味になった。なんというか、“安心の一品”という言葉がしっくりくる

⑤玉子焼き 牛しぐれ煮入り
安心といえば玉子焼きほど裏切りのないものはない。甘くしても、しょっぱくしても、美味しい。牛しぐれ煮を入れるとさらに満足度が増す。今日も今日とて、安定の玉子焼きを加えることで、お弁当全体のバランスがぐっと整う

ようやく出来た。なんとか出来た
これだけ作ったら、すでに何もかも使い果たしてしまったような気分だ。朝のわずかな時間に、こうしてお弁当を仕上げるというのは、小さな戦いであり、小さな達成でもある。若いころなら、この後に外回りをして、ジムにも行き、帰宅後にもう一度キッチンに立つことだってあった。しかし今は、これだけで一日の三分の一のエネルギーを使ってしまったような気持ちになる

このまま
午後もなんとかやり過ごすことができるのか、本気で心配になるひとときだ。しかし、毎日こうして「なんとか」やり過ごしてきたのだから、今日もたぶんなんとかなるだろう。疲れは誤魔化しながら、老いは受け入れながら、日々の暮らしを積み重ねていく。そんな木曜日の朝である
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